メロディに和音を付けるとその場で演奏を選べる
コードを覚えていても、メロディが流れた瞬間に何も付けられなければ、演奏の材料としては使いにくいものです。譜面どおりの和音を再現できても、トップ音に合わせて転回形やテンションを選べなければ、その場で演奏を組み立てられません。
メロディに和音を付ける練習では、先に曲を覚えきる必要はありません。すでに知っている簡単な曲を使えば、曲を覚える負荷を省いて、和音を選ぶところへ時間を使えます。
覚えているメロディを材料にする
スタンダード曲を使ってハーモニーを付ける場合、曲を覚えることとアレンジを考えることが同時に起きます。どちらも新しい状態だと、何に時間を使っているのかが分かれません。
きよしこの夜や蛍の光のように、すでにメロディを覚えている曲なら、メロディを思い出す工程を飛ばせます。知っている音の流れに対して、どんな和音を置くかだけを試せます。
まだ練習に使う曲が決まっていない場合は、スタンダード曲を1曲覚えるのように、1曲を材料にして練習を組み立てる方法があります。
コードを押さえるだけで終わらせない
コードは形を押さえられるだけでなく、流れるメロディにその場で付けられるところまで練習します。メロディのトップ音に合う転回形を選び、必要ならテンションを加える。コード名を見て形を再現する練習とは、別の判断が必要です。
64パッドでは、全キーで同じ形を使える配列によって、コードを音名の列ではなく形として見られます。上に置きたいメロディから下へ音を重ねる並びも見えるため、どの転回形やテンションを試すかをその場で組み立てられます。
パッドのボイシングを、R+5と3+7、ルートレスの上部トライアド、トップ音、テンション、4度進行の順に覚えていく方法は、🎹パッドでジャズのボイシングを覚えるにまとまっています。
形を鳴らしてから使う和音を選ぶ
理論を先に全部説明できなくても、トップだけをトライアドでハモり、下へ別の形を重ねるように、手で組み合わせを試せます。鳴った結果を聴いてから、なぜその響きになるのかを自分の言葉で説明できる場合もあります。使えるようになることが、説明できることに先行します。
最初から多くのコードを覚える必要もありません。メロディの各音を、安定する6コードと、その間をつなぐディミニッシュの二種類として捉えるだけでも、連続したハーモナイズを作れます。Feel Like Makin’ Loveのメロディも、5音の骨格へ装飾を足し引きすることで、音数を増やさずに表情を変えられます。
パッドでは、スケールを記憶から引き出せないことが試す手数を制限しません。形として押さえて鳴らし、使うかどうかを後から決められるからです。音域によって重ねられる音数も変わるので、試す回数を重ねるうちに、低い音域では濁りやすく高い音域では分離しやすいという判断も身につきます。
和音とメロディを進行の中で見る
コード進行とメロディを同時に弾くと、和音だけでなく旋律も4度で動いていることが形として見えてきます。進行表だけを見ていたときは別々だった横のメロディと縦の和音が、同じ音程の動きとして重なります。
長く続くコードから4度上へ進む場面では、元のコードをドミナント7thに変えると、次のコードへ向かう引力を足せます。教材の楽譜が途中で終わっている場合も、書いてある部分でやり方を覚え、残りを自分で決める練習へ変えられます。
曲の中の定番進行と、その曲だけの置き換えを分けて見たいときは、どんな曲も定番進行とそのリハモで説明できるへ進めます。
覚えたメロディが一音ずつ流れるとき、知っている形を付けて鳴らし、合うものを残していく。メロディに和音を付ける練習は、コード名を覚える作業から、その場の演奏を選ぶ作業へ移っていきます。