私が音楽で求めるもの:リズム・芯・アナログの揺れ

リズム命、ドライでくっきりした音の芯、アナログな揺れ——自分が好きな音楽と苦手な音楽を言語化してみた。機材選びや練習の方向性にも繋がる、音楽観の整理。

自分が好きな音楽とそうでない音楽を、ずっとうまく言葉にできないでいました。「なんとなく好き・嫌い」が先に来てしまって、理由が後からついてこない。

でも、楽器を練習し、DAWで音楽を作るようになってから、少しずつ言語化できるようになってきました。このページはその整理です。


好きな音楽の傾向

リズムが命

好きな音楽の共通点を一言で言うと、リズムです。

演奏者自身のタイム感やグルーヴで音楽を作っているバンドが好きです。アタックの強さと「間」の心地よさ。これがある音楽には、すぐに引き込まれます。

好きなバンドやアーティストを並べると、自分の好みがよく分かります。

このどれもが、「演奏者のリズム」で成り立っています。

音の芯・ソリッドさ

サウンド面では、ドライでくっきりした輪郭のある音が好きです。

スプリングリバーブ、トレモロ、フェイザーなどアナログ的な揺れは好きです。でも「音の芯がある」ことが前提で、芯がなくなってしまうエフェクトの使い方は苦手です。

適度なコンプレッションやサチュレーションで太さや存在感を出すサウンド——SoftubeのSpring Reverbを「技術的なスペックでなく、弾いてみてめちゃくちゃ気持ちいい」と感じた体験は、まさにこの好みから来ています。


苦手な傾向

時間軸をエフェクトで埋める音

ディレイやコーラスでリズム感や厚みを「人工的に」作るタイプの音楽は苦手です。

U2やコールドプレイ系の「ディレイで作ったグルーヴ」——ディレイが返ってきた音がグルーヴ感のように聴こえる——は、演奏者のリズムではなくエフェクトが主役になっているように感じます。

ギター主体のバンドに多い過剰な空間系も同じです。演奏のタッチが埋もれてしまうのが気になります。

芯がぼやけるサウンド

コーラス特有のピッチ揺れで輪郭が滲む音、音のアタックが薄まって演奏のタッチが消える音——これが重なると、音楽を聴いていてむずむずしてきます。


例外もある

「空間系が嫌い」というわけでもありません。

ピンク・フロイドやアンビエント系のように、音像全体が「世界観」を持つ場合はむしろ好きです。ドリーム・シアターやジューダス・プリーストのように曲構造や演奏力が前面に出る場合も好きです。The Prodigy、Daft Punkのようにリズムと質感の一体感が強いエレクトロも例外です。

共通しているのは、空間系がサウンドの目的として機能していること。エフェクトが「誤魔化し」ではなく「表現」になっているかどうかで、受け取り方が変わります。


なぜこういう好みになったのか

推測ですが、大学時代のバンド活動の経験が大きいと思います。

2000年代初頭、軽音楽部でいろんなバンドの演奏を聴いていたころ、「安っぽいマルチエフェクターのディレイ・コーラス音」に大量に触れました。安い機材で雰囲気を作ろうとした結果、むしろ音の薄さが際立つ——そういう音を大量に浴びたことが、「人工的な空間系への嫌悪感」の根っこにある気がします。


この好みが機材選びに影響している

自分の音の好みを言語化できると、機材選びの基準が明確になります。

SoftubeのBluetoneを「通すだけで音が整う反則ツール」と感じるのも、ベースやギターの「芯」を残しつつ整える挙動が、自分の好みにぴったりはまっているからです。IK MultimediaのMODO BASSとHammond B-3Xを評価するのも、物理モデリングならではの「弾いた感触のリアルさ」が、生感・リズム感への好みと一致するからです。

機材の詳しい話は💿ソフトウェア音源・エフェクトにまとめています。


音楽観が練習の方向性にも影響する

「リズムが命」という好みは、練習の方向性にも影響しています。

理論を覚えることより、フレーズを体に落とし込むこと。スケールを知ることより、響きで覚えること。この優先順位は、「演奏者のタイム感やグルーヴで成り立つ音楽が好き」という感覚と繋がっています。

練習の考え方については🛤️ 練習論にまとめています。